実家の処分費用

実家を相続したけれど、仕事の関係等で実際にそこに住むのは難しいという人も少なくないでしょう。
また、実家が老朽化してしまい、建物を処分しなければならない人もいます。

そのような時、更地にして売却をするというのも方法の一つです。
帰れる田舎がなくなってしまうは寂しいものですが、それも一つの活用法と言えるでしょう。

そこで、気になるのが、解体費用です。
実家を処分する際に掛かる費用は、どれくらいなのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

Contents

実家の解体処分費用の相場は?

実家を解体して処分する際の費用の相場は、木造の建物の場合で坪単価2.0~3.5万円ほどです。
しかし、解体費用の相場というのは、地域や立地条件、工事を行う時期によっても異なります。

また、この他にも人件費や設備費、廃棄物の処分代など、様々な費用が掛かります。
詳しくは、業者の立ち会いのもとに行われる「現場見積り」の際に確認してみるのが確実でしょう。

実家の解体処分費用を安く抑えるには?

実家の解体処分費用を安く抑えるには

実家とは言え、解体費用はなるべく安く抑えたいものです。
費用を抑えて処分するには、どのような方法があるのでしょうか。

補助金制度を利用する

多くの地域に設けられているのが、補助金や助成金制度です。
解体工事に掛かった費用の一部を、補助または助成してくれます。

このような制度を利用する事で、実家の解体処分費用は大きく削減できるでしょう。
ただし、助成金や補助金制度は、全ての地域にある訳ではありません。

また、制度の対象となるのは、各自治体が定めた基準をクリアした建物だけなのです。
まずは、お住まいの地域にこのような制度があるのかどうかを確認してみましょう。

事前の申請や審査が必要ですから、前もって手続きを行う事が重要です。

家財や荷物の処分は自分でしておく

既に実家が空き家となっている場合、多くの家財や荷物が残っている事があります。
不要品に関しては、解体業者に処分を依頼する事も可能です。

しかしその場合、産業廃棄物として処分されるため、費用が高くなる可能性があります。
ですから、解体費用を抑えたいのなら、不要品は前もって自分で処分をしておきましょう。

実家の解体処分!費用以外にも気をつけたい事

実家の解体処分の際に気をつけたい事

実家の解体処分にあたって、費用以外にもいくつか気をつけたい事があります。
詳しく見て行きましょう。

アスベストは含有していないか

解体する実家の築年数にもよりますが、古い建物には、アスベストが含まれている可能性があります。
アスベストとは、1990年代に重宝されていた、天然の鉱物繊維です。

熱や酸、アルカリなど、様々な物に対して強かったため、「奇跡の鉱物」共呼ばれていました。
しかし、実は発がん性などの健康被害を招く可能性がある事が発覚。

現在は、使用が禁止になっています。
アスベストの使用が完全に禁止になったのは、2006年頃です。

つまり、実家が2006年以前に建てられたものであれは、アスベストを含んでいる可能性があります。
解体中に飛散したアスベストを吸ってしまうと、肺がんや中皮腫などを引き起こすリスクが高まります。

ですから、アスベストの処分については、専門業者によって適切に行わなければならないと、法的にも定められているのです。
近隣住民や作業員の健康にも関わる事ですから、アスベスト含有の有無は、事前にしっかりと確認しましょう。

そして、費用が掛かったとしても、適切な処分を行う事が重要です。

実家を解体したら固定資産税が上がる?

建物を解体して更地にすると、固定資産税が上がるという話を耳にした事がある方もいるでしょう。
固定資産税は、土地・建物の両方に掛かかってきます。

ただし、建物が建っている場合は特例措置として、土地に掛かる税金の一部が免除になっているのです。
しかし、当然の事ながら建物を処分してしまうとその措置はなくなります。

つまり、固定資産税が上がるのではなく、税額が元に戻るのです。
場合によっては、4~6倍もの費用になる事があります。

実家を解体する前に、その後の固定資産税額について、確認しておきましょう。

ご近所への挨拶・配慮は忘れない

実家を処分する際には、ご近所への配慮は忘れてはいません。
いくら古くなった建物とは言え、解体工事では騒音や粉塵、振動など様々な迷惑が掛かります。

特に、これからも長きに渡ってお付き合いのあるご近所への感謝や配慮は、忘れないようにしましょう。
解体工事前の挨拶には、必ず伺う事をオススメします。

その際に、工事に関する事をしっかりと説明しましょう。
そういった事を怠ると、後にご近所トラブルにも発展しかねません。

信頼出来る業者を選ぶ

実家の処分に限った事ではありませんが、解体工事を行うには、、信頼出来る業者を選びましょう。
数ある解体業者の中には、必要な届出を怠ったり、不法行為を行う悪徳業者も存在します。

そのような業者は、工事やご近所への配慮に関してもずさんな事が多いため、なるべく避けたいものです。
信頼出来る解体業者を選ぶには、複数の会社から見積りを取るのがポイント。

比較する事で相場も分かりますし、より自分に合った優良な業者を見極める事にも繋がります。
また、業者同士を競わせる事で、費用が安くなる可能性もあるでしょう。

ネットで簡単に複数の業者の見積りが取れるのが、「一括見積りサイト」です。
このようなサイトでは、登録の際に業者を審査してふるいにかけています。

ですから、簡単なだけではなく、悪徳業者にあたるリスクを減らせる点も、オススメのポイントです。

実家の解体処分の際に必要な手続きは?

実家の解体処分の際に必要な手続き

実家の解体処分の際には、必要な手続きがいくつかあります。
費用以外にもそこをしっかりと押さえて、準備をしておきましょう。

建設リサイクル法に基づく手続き

いくら実家とは言え、勝手に処分して良いという訳ではありません。
建設リサイクル法「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」では、床面積が80平米以上の建物を解体する際には、着工日の7日前までに都道府県知事に届出をしなければならないとされています。

しかし、この手続きに関しては、解体業者に委託するのが一般的です。
ただし、その際には委任状が必要ですから、解体費用の見積りの際に業者に確認をしておきましょう。

ライフラインの停止の手続き

実家の処分をする際に、忘れてはならないのが、ライフラインの停止手続きです。
電気やガス、電話やネットなどは、管轄・契約している会社に連絡をして止めてもらいましょう。

工事の1週間前までに完了しておくと安心です。
ただし、水道は止めてはいけません。

解体工事では、粉塵対策として、水を撒きながら作業を行います。
これを「散水」と言いますが、水道の水を使用するのです。

万が一、水道を止めてしまった場合には、散水用のタンクを別途用意します。
その場合には追加費用が掛かりますので、注意しましょう。

建物滅失登記

実家の解体処分後にしなければならない手続きが、「建物滅失登記」です。
「登記」と聞くと、なんだか難しい事のように感じる方も多いかと思います。

しかし、必要な書類を揃えて、法務局に提出するだけの簡単な登記です。
司法書士に依頼する事も可能ですが、3万円~5万円程度の費用が掛かります。

建物滅失登記は、解体完了後1か月以内に行わなければ、10万円以下の過料が課せられる場合があります。
難しい手続きではありませんから、解体が完了したら早めに行いましょう。

実家の解体処分費用のまとめ

実家の解体処分費用のまとめ

実家を解体処分する際の費用の相場は、木造で坪単価2.0~3.5万円ほどです。
ただし、地域や立地条件、依頼する業者によっても変動します。

実家の解体費用を安く抑えるには、自分で出来る事は自分でやるという事がポイント。
補助金制度の利用も、大きな費用の削減になるでしょう。

また、実家を取り壊す際には、様々な注意点や必要な手続きもあります。
信頼出来る解体業者を選び、安全に滞りなく実家の解体を行いましょう。