解体工事の散水

解体工事には、解体作業以外にも設備費や重機の運搬費など様々な費用がかかります。
見積もりの際に、”散水のための費用が別途かかります”と言われて疑問に思っている人もいる事でしょう。

散水とは、しなければならないものなのでしょうか。
そもそも散水は何のためにするものなのかという事も、知らない人もいますよね。

そこで今回は、解体工事の散水について詳しくお話したいと思います。

Contents

解体工事の散水は何のためにするの?

解体工事の際に行う「散水」とは、工事で発生する粉塵やほこりが近隣へ飛散しないように水を撒く事です。
大きな建物を解体する際には、どうしてもほこりが発生してしまいます。

仕方がない現象とは言え、実際にほこりや粉塵によってご近所の洗濯物や車を汚していまう事もあるのです。
散水を行う事により、少しでも粉塵やほこりが舞うのを防ぐ事が出来るでしょう。

解体工事の散水は義務?

解体工事の散水は義務か

結論から申し上げますと、解体工事の際の散水は義務ではありません。
ですから、しなくても法的に罰せられるものではないのです。

そう言われると、散水を省いて解体費用を抑えたいと思う人もいる事でしょう。
しかし、解体工事の際の散水はなるべく省かず行う事をオススメします。

解体工事の散水は法律ではないが規定はある

先ほどもお話したように、解体工事の際の散水は法律的に義務づけられているものではありません。
しかし、国土交通省の「建築物解体工事共通仕様書」には散水についての詳しい指示が記されており、解体業者はこの仕様書に従って作業を行う事が決められているのです。

例えば、粉塵については法的規定はないが、作業者の許容濃度を5mg/㎡としています。
特に、圧搾機等の稼働時には専用の散水設備を近くに設け、粉塵発生部に直接常時散水を行う事。

そして、近隣住民に対する外気中の粉塵許容濃度は一般に0.2mg/㎡以下に抑制する工夫が必要であると記されています。

解体工事の散水は近隣への配慮

解体工事の際の散水は、法的に義務かどうかという視点からではなく、近隣への配慮として当然すべきものと言えます。
建物の解体で発生した粉塵やほこりによって家や車などが汚される事は、近隣の住民にとってはストレスとなる事です。

また、ほこりを吸い込んだ事で喘息やアレルギー等の健康被害を引き起こす可能性もあるでしょう。
実際に解体工事に関する苦情では、ほこりや粉塵による被害がその多くを占めています。

事前にしっかりと挨拶をする事はもちろん、工事中の配慮もとても重要となるのです。

アスベストを含む建物の解体工事は散水の義務がある

解体工事を行うにあたって、特に注意が必要となるのが「アスベスト」という物質。
アスベストとは、耐熱性や保温性、絶縁性に優れており1970年~1990年頃まで建材や車の部品等に多く使われていた物質です。

重宝されていましたが、その後発ガン性がある事が発覚。
アスベストを吸ってしまうと、肺がんや悪性中皮症という病気を引き起こす事があるのです。

そして、2006年からは完全に使用が禁止されています。
このアスベストが解体工事によって空気中に飛散した場合、近隣住民の健康を脅かす可能性があるのです。

ですから、アスベストが使用されている建物の解体工事は専門業者が行う必要があり、粉塵が飛散しないよに散水によって十分に建材を湿らせて行わなければなりません。
もしも、解体予定の建物にアスベストが含まれている場合には、専門業者にしっかりと散水を行ってもらいましょう。

解体工事は散水など国の規定を守って行う業者を選ぼう

解体工事は散水など国の規定を守って行う業者を選ぼう

ご近所に迷惑をかけないためにも、トラブルを防ぐためにも解体工事の際の散水はしっかりとしてもらいましょう。
そのためには「建築物解体工事共通仕様書」の規定をしっかりと守って工事を行ってくれる業者を選ぶ事が重要です。

しかし、数ある解体業者から信頼出来るところを探すのは時間も労力もかかります。
オススメなのは、複数の解体業者から一括で見積りを取る見積りサイトを利用する事です。

そのようなサイトは事前に独自の基準によって業者をふるいにかけ、優良な業者を厳選しています。
優良業者の中から選ぶ事が出来る上に、業者同士を競わせる事により解体費用を抑える事にも繋がるのです。

ですから、散水を怠らない業者を選ぶには、事前に何社もの見積りを取る事がポイントでしょう。

解体工事と散水のまとめ

解体工事と散水のまとめ

解体工事の散水は、建物を解体した際に発生する粉塵やほこりの飛散を防ぐために行うもの。
法的義務はありません。

しかし、粉塵やほこりがご近所の所有物を汚したり、健康被害を招いてしまう事も考えられます。
ですから、法的に義務かどうかという事ではなく、近隣への配慮の一つとして必ず行いましょう。

解体工事は、国土交通省の「建築物解体工事共通仕様書」の規定に沿って作業を行ってくれる業者を選ぶ事が重要です。
そのためには、事前に幾つかの業者から見積りを取る事がポイントでしょう。